審査は、度胸・顧客はどちら・・。●記録の総点検●まずは社内に号令をかけて、品質(環境)記録を総点検しましょう・・。 1.作成漏れ 作成漏れや行方不明の記録がないか、点検する。記録は順序よく並べて、すぐに取り出せるように整理しておく。 2.捺印漏れ 承認印の漏れがないか、全部めくって調べる。 3.記入漏れ 空白欄がないか調べる。該当しない記入欄の取り扱いにも注意する。 4.期限切れ 実施期限が来ているのに未完了のものがないか、チェックする。もしあれば、完了させる時間がない場合は何かそれらしきコメントを書いておく。そのままになっているのがいちばん良くない。 5.解決漏れ 検討を要するとか、別途調査するとか、条件付き合格のように、課題や条件が記述されているものは、放置されていないか調べる。 6.内容の矛盾 規格値や規制値が設定されている場合は、合否(良否)判定結果などに矛盾がないか確認する。 7.その他の異状 他の記録と比べて異状(異常ではない)な内容がないか調べ、異状が妥当か確認する。 8.台帳等との矛盾 もし台帳があるときは、台帳の内容と矛盾がないか確認する。 ●台帳の総点検● 全部の台帳も調べ、次の点検をする。 1.実物との矛盾 台帳の記載内容が実物(実態)と一致するか、確認する。 2.記入漏れ 空白欄など記入漏れがないか調べる。 3.期限切れ 管理期限が過ぎているのに放置されているものがないか、点検する。 4.その他の異状 台帳の内容全体に目を通し、異状(異常ではない)な点の処置が適切か調べる。 ●経営者対策● 実態として、経営者がインタビュー(面接審査)で不適合を喰らうケースは、幸か不幸か少ない。無責任な経営者でも審査に免罪符だけは持っているようなのだが、不適合が出ないわけでは決してない。 万一ここで不適合が出れば、経営者は自分のことは棚に上げてISO推進責任者の責任だと言わんばかりだから、ISO推進責任者に経営者対策は欠かせない。 ISO推進責任者は経営者に次の特訓しましょう。 1.品質(環境)方針の背景 ISO9001(ISO14001)認証取得の動機と、立てた品質(環境)方針の背景および狙い(どのようにしようとしているのか)を言えるようにする。 2.経営者自身による評価 経営者自身の口でマネジメントレビューの結果を語れるようにする(笑話ではない)。とくにこのシステムがうまく(経営者の狙いどおりに、実効が上がるように)運営されているのか、システム上の問題があるとすれば何で、どういう手を打つべきなのか、裏付け資料を見せながらしゃべれるように特訓する。 3.応用問題 1.と2.がしっかり対策できたら、その出来ばえを以下のチェックリストで確かめよう(裏付けも示せること)。先にこのチェックリストを使って試してはいけない。 どういう動機・経緯・目的で取り組み始めましたか?/どんな背景・狙いでこの品質(環境)方針を立てましたか?/それを全社員一丸となって達成できるようにどうしましたか?/その達成具合をどんな情報に基づいて評価していますか?/現状の達成具合はどう見ていますか?/システムを運用してみてこのシステムはどんな具合ですか?/経営者の方針・狙いを達成するのに適っていますか?/運用しただけ実効が上がるものになっていますか?/システムに問題があるとすれば何(どこ)ですか?/それにはどんな手を講じていますか?/どんな情報に基づいてシステムを評価しましたか?/ISO9001(ISO14001)を導入してみてどうでしたか? ●部課長対策● 部課長は担当部署の仕事を遂行する責任者であり、審査では矢面に立たされる責任者でもある。少なくとも自部署の仕事の基本的なことは、把握できていないといけない。各部署共通の確認事項は次のとおり。 1.方針(目的・目標)の運用管理 品質(環境)方針の達成に必要な自部署の役割が何であるか、言えるようにする。特に環境の場合は、自部署が達成すべき環境目的・目標と達成状況を説明できるようにする。 2.業務フロー・手順・基準 自部署の責任・権限、他部署とのつながりを含む仕事の流れ、仕事の手順・基準(異常・異例処理手順を含む)を説明できるようにする。環境の場合は、どんな環境側面があり著しいのはどれであるか、そのための管理手順書はどれであるかを示せるようにする。 3.教育訓練のニーズ どの仕事を遂行するのにどんな経験・能力・資格が必要なのか、説明できるようにする。 4.品質記録 自部署に責任のある品質記録には何々があるのか、再確認する。 5.応用問題 品質(環境)方針の達成に求められるあなたの部署の責務は何ですか?/その達成状況はどのようにモニターし評価していますか?/あなたの部署の仕事の手順・基準を定めた文書はどれですか?/その仕事のインプット・アウトプットは何ですか/その仕事はどんな要件が揃ってスタートしますか?/その仕事の遂行にはどんな記録を作成する必要がありますか?/その仕事の担当者にはどんな経験・能力・資格が求められますか?/(品質の場合)品質異常には何がありその処理手順はどれですか?/(環境の場合)あなたの部署にはどのような著しい環境側面がありますか?/手順書が欠かせない仕事はどれですか?/緊急事態や異常時の処理手順はどれですか?/あなたの部署の仕事に関係する法規制には何がありますか?/法規制の順守状況の裏付けはどれですか?/あなたの部署の環境目的・目標は何ですか?/その達成に何をどのように管理していますか?/それをどうモニターし達成状況はどう評価していますか? ●一般社員対策● 一般社員に求められることは単純明快だ。 1.方針(目的・目標)の理解 品質(環境)方針を達成するにあたって、各自が何をすべきか言えるようにする。環境の場合は、環境目的・目標が何で、それを通して各自が何をすべきかも説明できるようにする。 2.手順の明示 各自が担当している仕事の手順(書)を示せるようにする。品質の場合は異常があった場合の処置手順も言えるようにする。また環境の場合は、その仕事が環境に与えうる影響は何で、そうならないようにどんな注意や改善が求められ、万一問題が起きたらどう処置すべきか、説明できるようにする。 3.記録の特定 その仕事を実施した結果、記録として何を残すようになっているのか、確認する。 4.応用問題 品質(環境)方針をどのように受け止めていますか?/品質(環境)方針の達成にあなたが(貢献)すべきことは何ですか?/あなたの仕事は何でどのように行っていますか?/それを定めたもの(手順書)は何(どれ)ですか?/その仕事で特に注意しなければならない点は何ですか?/その仕事をするのにどんな資格や要件が必要ですか?/その仕事ではどんな記録を作成しますか?/(品質の場合)何かの品質異常を起こした(発見した)場合はどうしますか?/(環境の場合)あなたが関係する環境目的・目標は何ですか?/あなたの仕事で環境に影響を及ぼしうるのに何がありますか?/手順から外れた仕事をすると環境上どんな事態になりますか?/どこをどう改善すれば良いと思いますか?/緊急事態や異常があればどう対処しますか? 秘伝の裏技 不幸にして本審査の直前に具合の悪い問題が見つかり、是正している時間的余裕がない場合は、どうしたらよいのであろうか。 とっておきの裏技を伝授しよう(ただし乱用禁止!)。 臨時の内部監査を行い(臨時にも行えるようになっていること)、その不適合を見つけたことにして是正処置のシステムに乗せてしまうのだ。もちろん、内部監査以外の手順で不適合を是正するシステムに持ち込んでもよい。 次に大事なことは、審査が始まると、審査員から指摘される前に自らバラしてしまうことだ。「実はこのような不適合があって、いま是正の活動に入っているところです」と。 審査員は自分で見つけたことを指摘するのであって、受審企業が自ら発見し是正処置中のネタを横取りして「ではこれも不適合にします」と指摘することはない(ただし重大なものは、切り口を変えて別の形で指摘される可能性はあるが)。 “先にバラす”のは経営者のインタビューのところにし、経営者自身から「実はこういう不適合も見つけておりましてねぇ、ちゃんと是正をやらせております」と言ってもらえばより効き目が高いし、経営者の株も上がって一挙両得だ。横柄で態度がデカい審査員でも、経営者には一目置きます・。 最後は度胸 以上はあくまでも審査直前の応急対策であって、これだけを頼りにしてはいけない。十分に受審準備をしてきた最後に、念のために行うのである。 本審査では、大きな声で自信タップリにハキハキ答えよう。 心の中では多少自信がなくても、明瞭に言い切る方がよい。 小声でボソボソしゃべるのは、最初からシッポを巻いているようなものだ。 もっとも、しゃべり過ぎ、資料(記録など)の見せ過ぎはかえって墓穴を掘るから、訊かれたこと以上にリップサービスしすぎない方が無難。 最後は度胸で乗り切ろう。自社のことをいちばん良く知っていますねぇ・・。笑 日頃からちゃんとやっていれば自分の決めたことを、キチンとやって内部監査等でしっかりチェックして継続的改善を行っていれば・・別に審査も怖くないと思います。 慣れれば余裕もでてくると思いますが・・。 審査員によって、まだまだいろいろなことを言われるのが現実・・。 惑わされずに余計な書類や手順を作らずに・・自分たちのやるべきことをやって 居心地の良い会社や組織にかえていきましょう・・。笑 ジャンル別一覧
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